アーユルヴェーダ(梵: आयुर्वेद、ラテン翻字:Āyurveda)はインド大陸の伝統的医学。
アーユルヴェーダはユナニ医学(ギリシャ・アラビア医学)、中国医学と共に世界三大伝統医学のひとつであり、相互に影響し合って発展しました。
トリ・ドーシャと呼ばれる要素(3つの体液、病素)のバランスが崩れると病気になると考えられており、これがアーユルヴェーダの根本理論です。
アーユルヴェーダの名は寿命、生気、生命を意味するサンスクリット語の「アーユス」(梵: आयुस्、ラテン翻字:Āyus)と知識、学を意味する「ヴェーダ」(梵: वेद、ラテン翻字:Veda)の複合語。
医学のみならず、生活の知恵、生命科学、哲学の概念も含んでおり、病気の治療と予防だけでなく、より善い人生を目指すものです。
健康の維持・増進や若返り、さらには幸福な人生、不幸な人生とは何かまでを追求する考えで、文献の研究から、ひとつの体系としてまとめられたのは、早くても紀元前5 – 6世紀と考えられています。古代ペルシア、ギリシア、チベット医学など各地の医学に影響を与え、インド占星術、錬金術とも深い関わりを持ちます。
アーユルヴェーダは病気になってからそれを治すことより、病気になりにくい心身を作ることを重んじており、病気を予防し健康を維持する「予防医学」の考え方に立っています。心身のより良いバランスを保つことで、健康が維持されると考えました。具体的には、5つの祖大元素からなる「ヴァータ(風)」「ピッタ(胆汁・熱)」「カパ(粘液・痰)」のトリ・ドーシャ(3つの体液、病素)のバランスが取れていること、食物の消化、老廃物の生成・排泄が順調で、サプタ・ダートゥ(肉体の7つの構成要素)※1が良い状態であることが挙げられます。